スマホの動画で119番通報するシステム「Live119」とは?

2022-10-13

“スマホがあれば、何かトラブルが起こった時にすぐに110番や119番へ連絡することができます。そんなスマホの便利な部分を活用した「Live119」をご存知ですか?
Live119は、スマホ動画で通報ができるので、レジャー現場で大活躍するアプリです。ここでは「Live119」についてまとめてみましょう。
【スマホの動画で119番通報するシステムの導入が進められている】
119番通報をした経験がある人であれば分かると思いますが、目の前で事故が起こったり、ケガをした人がいたりすると、気が動転してしまい、うまく相手に伝えることができないケースが多いです。そこで、従来の通話ではなく、スマホの「動画」を活用して、119番通報をするシステムの導入が進められているのです。
【Live119とは?】
動画を用いて119番通報をするシステムが「Live119」です。このLive119は、通報者と指令室を映像でつなぎ、通報者が送った映像を指令室の管制員が直接目で確認することで、より適切な応急手当の方法を伝えたり、応急手当の動画を送信したりすることができます。
災害や救急の現場で、できるだけ早い手当、対応が求められており、このLive119を活用することで救命率の向上が期待されているのです。
実際に、レジャーシーンの現場でも本格的導入が進められており、東京消防庁管内では2020年から千代田区の指令室限定で、試験的にLive119が運用をスタートしています。千代田区での一定の効果が確認されたため、2022年7月からは多摩地区(立川市)の指令室でも導入されることが決定しています。これによって、東京都内ほぼ全てのエリアでLive119を活用できるようになったのです。
【レジャー現場で活用が期待されるLive119】
東京都多摩地区には、山・川などのレジャースポットが点在しており、お休みの日にはレジャーを楽しむ多くの人が訪れています。そのためケガ人や急病人の通報が非常に多い現状です。ただ多摩地区では山間部までの距離が長いため、都心や住宅街に比べて救急車の到着が遅くなってしまうケースがあります。
そこで東京消防庁としては、救急車が到着するまでの間、このLive119を活用し、通報者やその場に居合わせた人たちに、適切な応急処置を行ってもらい、救命率の向上につなげたいと考えているのです。またこのLive119を活用することで、自分がどこから119番通報をしているのか?を管制員に映像ですぐに伝えることができる点もメリットと言われています。特に大自然の中では住所を伝えにくく、現在地を説明する上で、目印となるものが少ないため、動画を見せて場所を特定できるのは魅力的です。
【Live119の課題とは?】
救命率の向上アップにつながるLive119ですが、課題もあります。それが
・充電
・認知度
です。
それぞれまとめてみましょう。
<充電>
レジャーで訪れていた山岳地域でLive119を使用する場合、充電問題は深刻です。山岳地域ではスマホが通報者と連絡が取れる唯一の手段となるため、Live119を利用していて充電がなくなってしまう…というトラブルはできるだけ避けたいです。
<認知度>
Live119はまだまだ認知度が低く、利用する人数が少ない現状です。試験的に導入がスタートした2020年度は122件、2021年度では174件の運用実績となっています。せっかく便利なツールであるにも関わらず、多くの通報者は「Live119」の存在を知らないため、上手く活用されていない現状があります。Live119などの便利なツールがあることを、もっと都民に大々的にアピールする必要がありますし、周知に向けてさらなる努力が必要になるでしょう。
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